篠笛初心者向けにまとめてみました

蘭情・総巻き・6本調子を買った

篠笛を初めて1年少々。
今では自作するまでになりました。
かなりいい楽器だなぁと思い、作った笛を友人に分けていますが、よく聞かれることがあるので、初心者向けにまとめておきたいと思います。

篠笛とは

女竹という笹の仲間を素材とした横笛です
初心者向けのプラスチックでできたものや、竹でできたものもありますが、総じて篠笛と呼ばれているようです

種類は主に3種類あります

・古典調(お囃子でよく使われる)
・唄用(民謡などに合わせやすいように作られている)
・ドレミ調(ドレミファソラシドで調律している)

主流なのはドレミ調

ポップスを吹きたいとか、ピアノに合わせて吹きたいとかにはドレミ調です。
ドレミファソラシドと鳴るように調律されているため、指穴の大きさがまちまちです。

古典調はお祭りのお囃子などで使われることが多いです。、
指穴は同じ大きさで均等に空けられており、ゆえにドレミファソラシドとは鳴りません。
この穴の大きさや感覚が違うと、音階が変わってきます。
お祭りによってこれが違ってきたりするので、吹きたい祭囃子があれば、それように作られたものでないと合いません(ドレミ調で合わせることも当然可能)。

2017.1.5追記 古典調・唄物・ドレミ調の違い

音域は2オクターブ半くらい

篠笛にあけられている穴を押さえていくことで、ドレミファソラシドと1オクターブ吹けます。
息の入れ方を変えることで、さらに1オクターブ上のドレミファソラシドが吹けます。
さらに変えることで、もう1オクターブの半分くらいは普通に出ますが、初心者にはまずこの2オクターブ半を出すことが目標になると思います。

音の出し方はフルートと同じ

ビンの口に唇を当てて、「ボー」っと音を出したことはあるでしょうか。
原理はこれと同じです。
篠笛の吹き口(唄口(うたくち)といいます)はただ穴が開いているだけなので、ビンで音を出すのと同じ感じで音を出します。
初心者の第一ステップは、いかにこれで音を出すかという所です。

値段は2千円くらいから

初心者はプラスチックでできたものが2千円くらいで買えます。
飽きてしまうかもしれないので、まずはこれがおすすめです。

5千円くらいでは竹の篠笛が購入できます。プラスチックよりは篠笛に近い感じで吹きたい人はこちらです。
1万円くらいになると女竹を使った篠笛が購入できますが、調律が甘かったり、仕上げが簡単なものだったりします。
3万円くらいになると調律がビシッと決まってきたり、漆で塗装されていたりします。この辺りが、長く篠笛を続けていきたい人が持つ相場のような気がします。
これを超えてくると、工芸品的付加価値がついてきます。
例えば、希少な音がよいとされる素材を使っていたり、藤を使った巻装飾が増えたり、漆塗りの付加価値が上がったり、蒔絵がついたり、螺鈿がついたり、プレミアがついたりします。

値段が変わるポイント

おおよそこんな感じで値段が変わってきます
素材 プラスチック < 竹 < 女竹 < 煤竹(古民家などの解体から出た囲炉裏上でいぶされ続けた女竹のこと)
巻き なし < 天地巻き < 総巻き
塗り なし < カシュー(漆風塗料) < 本漆
装飾 なし < 蒔絵・螺鈿
調律 おおよそ合ってる < きっちり合ってる
プレミア 先代○○さんが作った笛とか

プレミアは除いて、
煤竹を使って、総巻きで、本漆で、蒔絵がついて、調律がきっちり合っている
こんなものは多分高いです、

また、篠笛は女竹という素材の柔らかさを生かした柔らかい音質が持ち味でもありますので、上記の「巻き」や「塗り」を入れるとその柔らかさがそがれるということで、最低限しか塗らない・巻きはしない「素竹」というものもあります。

巻きや塗りが必要な理由

篠笛を作るために、女竹を取ってきた後は3年以上乾燥させてから笛作りに使用します。
そんな乾燥させた竹に穴をあけて、吹き口を作ったり、指穴を作ったりすると強度が落ちます。
そこに、吹いた時に水分がつき、夏の暑さや、冬の寒さ、そして乾燥により、どんどんと笛は割れやすくなります。
そんな割れを防ぐために、カシュー(漆風塗料)や本漆を使って、塗りを行います。
さらに割れを防ぐために、藤(ヤシ科の植物)で笛を巻いて強化を図ります。
塗ったり、巻いたりすると女竹は固くなります。
固くなると音も固くなります。
割れるリスクを取って柔らかい音質を取るか。
割れないようにして固い音質にするか。
使用用途、好みによってこの辺りの選択は分かれていきます。
当然、漆を使うと漆素材代がかかりますし、藤も意外と高価なので総巻きなどにすると高くなります。

○本調子というのがある

前述しましたように、篠笛はおおよそ2オクターブ半出ます。
よく使われているのは6本調子・7本調子・8本調子ですが、キー違いで12本あります。
数字が小さくなるごとに長くなります。
教室に通う場合は、その教室で使っている調子があると思うのでそれを選びます。
その他は演奏したい曲にキーに合わせて選択するとよいと思います。

12本調子(E)
11本調子(E♭)
10本調子(D)
9本調子(C♯)
8本調子(C)
7本調子(B)
6本調子(B♭)
5本調子(A)
4本調子(A♭)
3本調子(G)
2本調子(F♯)
1本調子(F)

よく聞くブランド

蘭情(らんじょう)
立平(りっぺい)
朗童(ろうどう)
丸山(まるやま)
紫水(しすい)

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